大野寺は古くから室生寺の末寺として「室生寺の西門」とよばれてきた寺で、役行者が室生寺とほぼ同時に開創したと伝えられる。天長元年(824)になって空海が一宇を建立し、慈尊院「弥勒寺」と称したが、後に地名から「大野寺」と呼ばれるようになった。 また、境内奧には遙拝(ようはい)所が設けられ、対岸の屏風ケ浦の有名な大野寺磨崖仏(まがいぶつ)を見ることができる。この磨崖仏は興福寺の僧、雅縁が笠置寺の磨崖仏を模して造立する事を発願したといい、承元元年(1207)10月から1年かけて、宋人の石工伊行末(いのゆきすえ)とその一派が線刻を施した仏像だ。 後光をかたどった光背の中におさめられた弥勒菩薩像の大きさは約14メートル。 ほんのすこし頭を傾け、挙げた左手に印を結んだ姿でたたずんでいる。承元3年(1209)3月7日の開眼供養には後鳥羽上皇の御幸もあり、盛大に行われたという。 【花の見どころ】 サクラ 4月上旬〜中旬 全国でも珍しいしだれ桜「小糸桜」の巨木をはじめ紅しだれが10数本。 |