花だより

彼岸花(ヒガンバナ科)
[花マップ]


 

花言葉「悲しき思い出」

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秋のお彼岸の頃に咲くのでこの名がある。またの名を曼珠沙華(まんじゅしゃげ)という。これは梵語でズバリ「赤い花」を意味する言葉だそうである。それにしても、これほど強烈で刺激的な「赤い花」がほかにあるだろうか。あぜ道や川べりに群れ咲くさまは遠目にみてもドキッとするほどのインパクトだ。
「道の辺の いちしの花のいちしろく 人皆知りぬ我が恋妻は」万葉集 巻11-2480
“いちしの花”は今の彼岸花といわれる。“いちしろく”は白とは関係なく“はっきりと”の意味で「道端に咲く曼珠沙華ではないけれど、ボクの妻があでやかで人目につく美女だってこと、皆が知っているんだ」という妻をベタほめしている男の歌である。古代すでにこの花は野面を点々と染めて人々の目をひいていたらしい。
彼岸花はまっすぐな茎の上に花だけをつける。葉は花が散って後にゆっくり生まれ出る。 韓国名はロマンチックだ。サンシチヨと呼び「想思華」と書く。1本の茎を共有しながら花と葉は決して出会うことはない。花は葉を想い、葉は花を思い焦がれているから「想思華」。
彼岸花が野や里に朱を散らすと、爽やかな風とともにしのびやかに秋がやってくる。
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