デジタルきっぷ取扱規程
(令和5年4月26日改定)
(目的)
- 第1条
- この規程は、近畿日本鉄道株式会社(以下「当社」といいます。)が、入出場情報をサーバ上に電子式証票として管理するための識別番号が記録された情報端末を企画乗車券として、当社線を利用するお客様(以下「旅客」といいます。)の運送等について取扱方を定め、もって旅客の利便性向上と円滑な利用の促進を図ることを目的とします。
- 2.
- 前項に定める識別番号(以下「ID」といいます。)は2 次元バーコードの識別番号等をいいます。
(適用範囲)
- 第2条
- デジタルきっぷにより当社線を利用する旅客の運送等については、この規程の定めるところによります。
- 2.
- この規程が改定された場合、以後のデジタルきっぷによる旅客の運送等については、改定された規程の定めるところによります。
- 3.
- 前2項のほか、この規程に定めていない事項については、当社のホームページ内に記載の注意事項に定めるところによります。
- 4.
- デジタルきっぷに組み込まれた他運輸機関乗車券・乗船券による他社線の運送および施設利用券の利用については、当該の運輸機関および施設が定めるところによります。
(用語の意義)
- 第3条
- この規程における主な用語の意義は、次の各号に定めるとおりとします。
- (1)
- 「当社線」とは、当社の経営する鉄道をいい、「他社線」とは、当社以外が経営する鉄道・軌道・自動車線等をいいます。
- (2)
- 「企画乗車券」とは、当社が特別の運送条件(運賃、料金、区間、経路、列車、設備、発売期間、利用期間、発売箇所等)を定めて発売する乗車券をいいます。また、施設利用券等を付随して発売するものを含みます。
- (3)
- 「デジタルきっぷ」とは、情報端末と入出場情報を組み合わせたもので2 次元バーコードのID が表示された企画乗車券をいいます。
- (4)
- 「対応改札機等」とは、デジタルきっぷに対応した自動改札機等をいいます。
- (5)
- 「乗車券管理サーバ」とは、デジタルきっぷのID、入出場情報、商品内容等を管理するサーバをいいます。
- (6)
- 「情報端末」とは、インターネットに対応したスマートフォン等(一部を除く。)をいいます。
- (7)
- 「購入情報等」とは、デジタルきっぷの購入日時、商品名、購入額等の情報をいいます。
- (8)
- 「システム」とは、乗車券管理サーバと販売サイトを総称したものをいいます。
- (9)
- 「施設利用券等」とは、デジタルきっぷに組み込まれた他運輸機関乗車券・乗船券および施設利用券をいいます。
- (10)
- 「チケット」とは、当社線乗車券や施設利用券等の個々のきっぷのことをいいます。
- (11)
- デジタルきっぷには、「片道」、「往復」、「周遊」、「回数券」の各タイプがあります。
- a.
- 「片道」タイプとは、発駅から着駅までの片道の乗車券が組み込まれたデジタルきっぷをいいます。
- b.
- 「往復タイプ」とは、発駅から着駅までの往路とその復路の乗車券が組み込まれたデジタルきっぷをいいます。
- c.
- 「周遊タイプ」とは、往復の経路が異なる乗車券および乗車経路のうち一部がフリー区間となる乗車券が組み込まれたデジタルきっぷをいいます。
- d.
- 「回数券タイプ」とは、同一区間の片道に有効なチケットが複数枚セットになっているデジタルきっぷをいいます。
- (12)
- 「利用区間」とは、デジタルきっぷごとに定められた当社線乗車可能区間をいいます。
- (13)
- 「フリー区間」とは、利用区間の中で乗車経路および乗車回数を制限しない区間をいいます。
- (14)
- 「発売箇所」とは、デジタルきっぷを発売しているすべての箇所をいいます。
- (15)
- 「乗車開始日」とは、第12条に定める改札を受けた日付をいいます。
- (16)
- 「利用期間」とは、デジタルきっぷごとに定められたデジタルきっぷを利用することが可能な期間をいいます。
- (17)
- 「有効期間」とは、利用期間中で乗車開始日から指定する期間をいいます。
- (18)
- 「Eモール」とは、当社が提供する販売サイト「きんてつチケットEモール」をいいます。
- (19)
- 「外部販売サイト」とは、当社以外の事業者が提供する販売サイトで、当社が指定するものをいいます。
- (20)
- 「販売サイト」とは、デジタルきっぷを発売するウェブサイトをいいます。
(契約の成立時期及び適用規定)
- 第4条
- 旅客の運送等の契約は、その成立について別段の意思表示があった場合を除き、デジタルきっぷを購入する際、旅客自らが情報端末で操作を行い、購入申込をシステムに送信し、システムを通じて当社が承諾したときに成立します。購入の申込に対する承諾の回答は旅客の情報端末にインターネットを介して契約が成立した旨を示す画面の表示によるものとします。なお、通信不具合等、当社の責に帰さない理由により契約成立の画面表示が表示されなかった場合でも、当社による返信はされたものとみなし、旅客は販売サイトから当該デジタルきっぷを確認するものとします。
- 2.
- 前項の規定によって契約の成立した時以後における取扱いは、別段の定めをしない限り、すべてその契約の成立した時の定めによるものとします。
(規程等の変更)
- 第5条
- この規程は、変更されることがあります。
(旅客の同意)
- 第6条
- 旅客は、デジタルきっぷの使用に際し、この規程およびこれに基づいて定められた規定を承認し、これに同意したものとします。
(発売および購入等)
- 第7条
- デジタルきっぷの発売箇所、発売日、発売額等は、当社のホームページおよび販売サイトによって掲示するものとします。
- 2.
- デジタルきっぷは、販売サイトにて、情報端末により購入しなければなりません。
(システムにかかわる通信費用)
- 第8条
- 情報端末の通信費用等については、旅客が負担するものとします。
(インターネットの環境)
- 第9条
- 旅客がデジタルきっぷを使用するために利用している通信提供事業者のシステム障害および回線障害等に起因した損害等については、当社はその責任を負いません。
(システムの取扱時間)
- 第10条
- Eモールにおけるデジタルきっぷの取扱時間は0時00分から23時59分までとします。なお、メンテナンス時間を除きます。
- 2.
- 前項に定める取扱時間は予告なく変更することがあります。
- 3.
- 外部販売サイトの取扱時間は、当該サイトの提供事業者が定めるものとします。
(支払方法)
- 第11条
- Eモールにおけるデジタルきっぷの支払方法は、クレジットカード決済(Apple Pay、Google Payを含む)または電子マネー決済とします。
- 2.
- 購入に使用することができるクレジットカードの種類および電子マネーの種類は、Eモール上で指定するものとし、支払方法は一括払いに限ります。
- 3.
- 外部販売サイトで購入する場合の支払方法は、当該サイトの提供事業者が定めるものとします。
(使用方法)
- 第12条
- 旅客は、デジタルきっぷを使用する場合、対応改札機等による改札を受けて入場し、同一のチケットにより対応改札機等による改札を受けて出場しなければなりません。
- 2.
- 旅客は、フリー区間内でデジタルきっぷを使用する場合、乗車および降車のつど、その区間に有効なチケットを対応改札機等により改札を受けるものとします。なお、対応改札機等が設置されていない場合は、係員に呈示して改札を受けるものとします。
(使用の制限)
- 第13条
- 1 回の乗車につき、2 以上のデジタルきっぷを同時に使用することはできません。
- 2.
- デジタルきっぷの破損、対応改札機等の故障又は停電等により対応改札機等によるデジタルきっぷの読み取りが不能となったときは、デジタルきっぷは、対応改札機等で使用することができません。
- 3.
- 乗車以外の目的で駅に入出場することはできません。
- 4.
- 普通乗車券や定期乗車券など他の乗車券と併用して使用することはできません。また、当社線から他社線に乗り継ぐ場合は、当社の対応改札機等で改札を受けるものとします。
- 5.
- 有効期間の定めがあるデジタルきっぷは、その有効期間を超えて使用することができません。
- 6.
- 偽造、変造または不正に作成されたデジタルきっぷを使用することはできません。
(制限または停止)
- 第14条
- 旅客の運送等の円滑な遂行を確保するため、必要があるときは、次の各号に掲げるデジタルきっぷによる当社線の取扱いを制限または停止をすることがあります。
- (1)
- 乗車区間、乗車経路、乗車方法、入出場方法若しくは乗車する列車等の制限
- (2)
- 発売等の箇所・枚数・時間・方法の制限または停止
- 2.
- 前項の規定による制限または停止をする場合は、その旨を当社のホームページ、販売サイトおよび関係駅に掲示します。
- 3.
- 本条に基づくサービスの取扱制限または停止に対し、当社はその責を負いません。
(紛失)
- 第15条
- 入場後、デジタルきっぷを紛失した場合、入場駅から出場駅までの普通旅客運賃を収受します。
- 2.
- デジタルきっぷの紛失に対し、当社はその責を負いません。
(利用履歴および購入履歴の確認)
- 第16条
- 旅客は、乗車券管理サーバと接続する販売サイトにおいて、デジタルきっぷの利用履歴および購入履歴を確認することができます。なお、利用履歴の確認は、当該デジタルきっぷの利用期間中に限ります。
(効力および使用条件)
- 第17条
- デジタルきっぷを用いて乗車する場合は、券面に表示する内容、当社のホームページおよび販売サイトに掲示する条件のほか、次の各号の使用条件を守らなければなりません。
- (1)
- デジタルきっぷの効力は、旅客自身が必ず情報端末を携行し、その情報端末の画面に表示された購入情報等に限って有効とします。
- (2)
- 情報端末の故障、充電切れ等によりデジタルきっぷの購入情報を確認できない場合は、利用できません。
- (3)
- 第2号の場合、入場駅から出場駅までの普通旅客運賃を収受します。
- (4)
- デジタルきっぷごとに設定している利用駅以外で乗降することはできません。
- (5)
- 乗車の経路については、フリー区間および経由の指定がある場合を除き、各デジタルきっぷの利用条件として記載している発駅から着駅までの最短経路となる経路(生駒線、田原本線を乗り継ぐ経路を除く)とします。回数券タイプについては、どちらの方向にも乗車することができます。
- (6)
- 画面に利用人員の表示がない場合は、旅客一人が利用できるものとします。また、有効期間を通じ、同一の旅客が全券片を使用するものとし、使用開始後の譲渡はできません。
- (7)
- デジタルきっぷを使用する場合は、1チケットをもって1回限り、その画面表示事項に従って使用することができます。ただし、周遊タイプのデジタルきっぷを使用する場合は、そのフリー区間内に限り乗車回数の制限はありません。
(無効となる場合)
- 第18条
- デジタルきっぷは、次の各号に該当する場合は無効とします。
- (1)
- 旅行開始後のデジタルきっぷを他人から譲り受けて使用したとき。
- (2)
- 係員の承諾を得ないで対応改札機等による改札を受けずに乗車したとき。
- (3)
- デジタルきっぷごとに設定している利用駅以外の駅で降車したとき。
- (4)
- この規程に定める使用方法に反した使用をしたとき。
- (5)
- 偽造、変造または不正に作成されたデジタルきっぷを使用したとき。
- (6)
- その他不正乗車の手段として使用したとき。
- 2.
- 偽造、変造または不正に作成されたデジタルきっぷを使用しようとした場合は、無効とします。
(デジタルきっぷ障害時の取扱い)
- 第19条
- システム障害等によりデジタルきっぷの処理を行う機器での取扱いが不能となった場合の取扱いは別に定めるところによります。
(同一駅で出場する場合の取扱方)
- 第20条
- 旅客は、デジタルきっぷで入場した後、任意の駅まで乗車し、出場せずに再び旅行開始駅まで乗車して出場する場合は、実乗車区間の普通旅客運賃を現金で支払い、当該デジタルきっぷは未使用の状態へ戻す処理を受けなければなりません。
- 2.
- 旅客はデジタルきっぷを使用して入場した後、乗車しないで同一駅で出場する場合は、その駅の入場料金を現金で支払い、当該デジタルきっぷは未使用の状態へ戻す処理を受けなければなりません。
(変更)
- 第21条
- 旅客は、デジタルきっぷを使用する場合、区間変更(乗り越し、方向変更、経路変更)はできません。
- 2.
- 旅客は、すでに購入したデジタルきっぷの利用期間および有効期間を変更できません。
(払い戻し)
- 第22条
- 旅客は、デジタルきっぷが不要となった場合は、次の各号のとおり取り扱います。
- (1)
- 全券片未使用で有効期間終了日までに限り、旅客自身の操作により購入したデジタルきっぷを払い戻しすることができます。
- (2)
- デジタルきっぷは、払い戻し手数料は設定していません。
- (3)
- 旅客は、旅行開始後のデジタルきっぷの払い戻しを請求することができません。また、回数券タイプでは、使用開始後は残枚数がある場合でも払い戻しをすることができません。
- 2.
- 外部販売サイトで購入したデジタルきっぷの払い戻しの取扱いは、当該サイトの提供事業者が定めるものとします。
(列車の運行不能の場合の取扱方)
- 第23条
- 旅客は、対応改札機等による改札を受けた後、列車の運行不能が発生した場合、その運行不能区間や列車の遅延について承諾したうえで旅行継続する場合を除き、次の各号に定めるいずれかの取扱いを請求することができます。ただし、当社が列車の運行不能または遅延を告知し、旅客がそれを承知のうえで購入した場合を除きます。
- (1)
- デジタルきっぷを所持する旅客が、無賃送還の取扱いの請求を行う場合、当社は当該デジタルきっぷについては未使用とみなし、旅行開始駅で未使用の状態へ戻す処理を行います。なお、旅客が無賃送還途中で、旅行開始駅に至る途中駅に下車した時は、次号「往路」における旅行中止として取扱います。
- (2)
- デジタルきっぷを所持する旅客が、「往路」(片道タイプによる乗車、周遊タイプによるフリー区間に至るまでの乗車を含みます。)において途中駅で旅行の中止および運賃の払い戻しの請求を行う場合、当社は旅行開始駅から旅行中止駅までの普通旅客運賃を収受します。旅客は当該デジタルきっぷの有効期間終了日までにEモール上から払い戻しの申告をするものとし、当社は当該デジタルきっぷを未使用とみなし発売額を払い戻します(外部販売サイトで購入したデジタルきっぷの場合は、当該サイトに申告するものとします。)。「復路」(周遊タイプによるフリー区間から着駅までの乗車を含みます。)および回数券タイプにおいては、払い戻しの請求はできません。
- (3)
- 旅客が当該デジタルきっぷに定められた経路の不通により目的地に到達できない場合は、他経路乗車の取扱いを受けることができます。
(施設利用券等)
- 第24条
- 施設利用券等が組み込まれたデジタルきっぷにおいて、旅客が施設利用券等による便益を受けることができず旅行目的を達成できない場合は、当社がその事由を認めた場合に限り前条第1号による無賃送還の請求ができます。
- 2.
- デジタルきっぷに組み込まれた施設割引券など、別途旅客が施設と利用契約を結ぶ際の特典等については、前項の請求はできません。
(紛争の解決)
- 第25条
- 旅客と外部販売サイトの提供事業者との間で紛争が生じた場合は、旅客と当該事業者との間で解決するものとします。